サイトでなければ出会えない相手3
サイトという匿名性が高いところであるからこそ声をかける勇気を持てたお相手ばかりであったと思う。
たぶんリアルでは接することすらしない世界だと思う。
頑張ってきた自分に選民意識を持ち、ただそれは間違えではないと未だに思うのであるが、そうした意識が自らの行動を狭めたということになると思う。
長くお付き合いした女性でさえ、今思えば、かつてならお付き合いをするカテゴリーに入って来なかったと思う。
それがサイトをきっかけに数年間お付き合いをし、いつの間にか私が執心してしまうということになったのだ。
おかしなものでお互いイコールの立場を貫こうと言って始めた交際も、それが親しんで一対一になった時に何れかが上位になるという典型であったと思う。
たぶん彼女からしても私とはサイトを通じてでないと知り合うことすらないかもしれない相手だという意識はあったと思う。
少なくとも当初はね。
ただ、非日常を喜んでいたことが日常になった時にお互いの生活観が表に出てしまうということになる。
そして、直接の別れの原因は違うのであるが、別れてしまうと、何故あの数年を彼女の生活観に合わせて来れたのかな?と不思議に思う。
それは決して「嘆き」ではない。
私は寧ろ、そうしたそれまで自分のカテゴリーにはない出会いがあって、お付き合いをできたことを心から感謝する。
その元カノさんには私とのお付き合いの期間とその経験を今後に生かして欲しいと真に思う。
今の自らの姿が正しいかどうかはわからないが、今の心持ちを保てるのは彼女のおかげと思っている。
気恥ずかしい表現になるが、彼女の生活観にどっぷりと浸かった期間があったからこそ、人間としての幅が広がったような気がするんだよね。
こんなことを始めた時に罪悪感は勿論あった。
しかし、自らを美化するには充分なくらい執心できるお相手とお付き合いできたことに深謝するのだ。
いつかそんな感謝の意を伝えないといけないと思う。