下流不倫(2)
彼女たちはなるべくサービスランチのあるホテルに行くという。
私も知っているところがあったので「もしかして○○○道路の入口のところですか?」と聞くと「そうです、一番良く行きます」という。
たまたま麓のホテルが満室であったので利用したことがあったのだが、かなりアットホームなところで好感が持てたのは事実。
ちょっとしたお昼とパウンドケーキなんかが置いてあったと記憶している。
しかし、そのホテルを常宿としているなどあまり考えにくいだ。
特に私の年齢からすると。
なぜそこを選ぶかと言えば、単に「お昼代が浮く」ということらしいのだ。
更に驚かされたのは、彼の行動なのである。
彼もサービスランチを食べる。
ところが奥さんに作ってもらったお弁当もその場で食べ始め、「ちょっとつままないか?」と彼女に勧めるらしいのだ。
これについてはさすがに私は意見させてもらった。
「それは経済力以前の問題として、男性にデリカシーがありませんね。別れた方がいいですよ」
この意見は間違えではないと思っている。
しかし、彼女からは反駁の意見がきた。
「これで別れると言って彼が逆上したらどうするのよ?私の人生は無茶苦茶よ」
この意見に対して私なりの意見は言った。
それは要するに楽しくないかな?ということであった。
なんかこの女性、騙されているのではないかな?とさえ思えたのだ。
しかし、男女の関係ほど不可思議なことはない。
それでその会話は寸断した。
その後、別れたかどうかはしらない。
つづく