ゆきずりが多いと言った女3
彼女との待ち合わせはあるスーパーの駐車場であった。
当直明けという彼女を車の中で待っていた。
こういうことを始めて初期の段階であったため、私は車で妙に落ち着かなかったことを覚えている。
そのうち1台の小型車が私の車に近づき、そして横に付けた。
中からややふくよかな女性が降りてきた。
向こうもやや落ち着かない様子であったが、私の車の助手席に乗り込んできた。
挨拶を交わし、「どこに行く?」と聞くと「好きなところでいい」と答えてきたので、私は「ウインドウショッピングでもしょうか?」と言って車を出した。
近くのインターから高速に乗り、南下した。
最初はぎこちない感じであった会話も徐々に打ち解け、お互いに笑顔で会話するようになったのであった。
恋愛の話になり、私はあまり女性経験がないことを正直に話した。
「ゆきずりみたいのはないの?」と聞かれたので「ないね」と答えると
「私は結構あるんだよね」
と言っていた。
まだ経験が浅かった頃であったから、私はこの言葉の意味がよくわからなかったのであった。
私は車をそのまま走らせ、ショッピングモールに向かった。
ショッピングモールに着くと何軒か店を見て歩いた。
「お近づきの印として何かプレゼントするよ」
そう言うと気を遣ったのであろう、季節外れのTシャツを持ってきた。
その後、食事をしてショッピングモールを後にしようとした。