ワリキリというお小遣い稼ぎ、その2
その後、私はどうしていいのかもわからず、お店を出るとただ車を走らせたのであった。
食事中、そしてドライブ中もあまり会話は弾まず「おかしいな」と思ったのは事実である。
私なりに愛想をふるっていたつもりではあるのだが、ノリは極端に悪かった。
この後に来るオチとは別ととして「この女性とはお付き合いしかねるな」と思ったのであった。
「あの、」
女性が重い口を開いたのは午後3時を過ぎた頃であった。
「私、ワリキリで、って書いたんだけど、意味わからなかったかな?」
なるほど、と妙に納得してしまった。
私が会話を弾ませようとしても空気が重いのはそのためだったんだね。
出会いの目的が違うのだから会話しようにも困ってしまったのであろう。
「ワリキリだったんだね、サイトを使ったのは初めてだけど、その意味はわかるよ」
「エッチありだと二万円、なしだと一万円もらっているんだけど」
帰る時間を考えれば、エッチありのギリギリのタイミングで口を開いたのであろうね。
私は財布を取り出すと中から二万円を出して渡した。
彼女はペコリと頭を下げると
「一番近いホテルはこのまま直進して右側に…」
と言った。
「いや、違うんだ」
私は彼女の言葉を遮った。
つづく