不思議ちゃんは怖い女?11(ラスト)
ランチを終えてお互いに帰途についた。
私は別れてすぐにあるサイトを開けて女性にメールをした。
相手の女性はたまたま直ぐに反応してくれた。
「間違いないです。名前は偽名を使っていますが、それは小さい時に私も好きだった絵本の主人公の名前ですね」
「私の夫と関係は切れていないはずですから、他にも男性を求めたのでしょう」
そうした微妙な関係に立ち入ることはしたくはなかったが、1つ聞いてみることにした。
「この事実を知ってあなたは何か行動に出るのかな?」
しばらく返事は来なかった。
しかし、翌朝メールを開けると返信が来ていた。
「きちんと話をすることを決めました。姉に対して悪い感情は勿論あります。怒りもあります。しかし、そうした感情になるのは男女ともに思いがあってのことですから勿論主人にも非があってのことです。私が思うのは貴方と姉が男女の関係になって、姉にとって主人が単なる浮気の対象でしかなかったということです。それがわかって十分です。ところで姉とお付き合いするつもりはありますか?」
彼女の性欲というものには強い興味が沸いていた。しかし、このことを知った以上身を引くのが相当な考えと思い
「そのつもりはないよ」
と答えた。
「良かった。私は主人のことを奪おうとした姉が許せないでいたのだけど、貴方とのことで考えが変わりました。姉は血を分けた間柄。これを機会に元の姉に戻って欲しいと思うのです。そこに貴方の存在はいりません。きちんと姉に指摘をいたします。ただ安心してください。貴方のことは一切伏せます。第三者を巻き込むようなことはいたしません」
しっかりとした考えを持った方だと思った。
「この直後に別れのメールを入れます」
そうこの女性にメールをした後、彼女にはこうメールを入れた。
「昨日は楽しい時間をありがとう。いろいろと考えたのだけど、もうこれ以上は止めにしたいと思って。貴女は男性経験も高いと思う。私では満足させられないと思ったんだ」
彼女からは長文のメールが何度かあった。
その度に気のない返信をした。
「単なる遊びだったということ?」
業を煮やした彼女からそんなメールがきた。
「そうだよ。お互いにそうだったんじゃないかな?」
彼女からそれ以上のメールが来ることはなかった。
勿論、姉妹の話し合いがどうなされたかもわからない。
妹とやり取りをしたサイトも退会をしていたから。
おしまい。