ゆきずりが多いと言った女9
私はぺニスを半分ほど抜くとその範囲でピストン運動を行った。
彼女の喘ぎ声のトーンは落ちた。
そして言ったのである。
「焦らさないで。奥まで挿れて欲しいの。奥にいてくれるだけでいいから」
懇願される通りに私は腰を奥深く沈めた。
すると彼女は悲鳴のような感嘆の声を上げ、しばらくすると私が先ほどしたことと同じ効果を得るべく腰を左右に振ったのである。大きな喘ぎ声を上げながら。
その姿を見ていると「こんなに淫乱な女がいるのか?」と思ってしまった。
若い頃に付き合っていた女性もセックスは大好きで自ら求めてくることは多々あったが、自らプレイの内容を求め腰を振るなどということはしなかった。
そう、淫乱な女などビデオや小説の世界のもので現実に存在するものではないと思っていたのである。
その後、そうした女性は結構いるということがわかったのであるが、この時は初めてのことで戸惑うばかりであったのだ。もっと言えば恐怖感さえ覚えたのである。
童貞で初めて女性に接した時、前戯の段階で悦びの声を上げ、インサートすると身体の中から発するような深淵な呻きを聞いて「悪いことをしている」とおののいた感覚にそれは似ていた。
そうこうしているうちに彼女は勝手に昇り詰めて行ったのであった。
「あー、いい。逝っちゃいそう」
私も数分の間、リズム感ある動きでぺニスに刺激を与えられ、結構いい感じになっていた。
彼女の「逝っちゃいそう」という言葉に、この女性の最期くらい幇助しないといけないと気づかされたのであった。
私は突然無我夢中になって腰を振った。
「ダメ、そんなに激しく…逝くっ」
彼女は身体をバタつかせた。
同時に私も堪えることができなくなり、残っていたスペルマをゴムの中に放出したのであった。
お互いの身体から力が抜け、折り重なった屍のようになったのである。
つづく