ゲスな男、ゲスな女(9年間の不倫と今の戯言)

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寂しさから始まる恋愛はいつか破綻を迎える。~中編

カトウタイゾウ先生は「ところで」と言って話題を変えて行く。

相談についての回答者である弁護士は「損害賠償請求されたら払わないといけない」「知らなかったということを立証する手立てがない」「裁判になり相手の女性が知らせてなかったことを言ったところで先ず偽証を疑われる」と相談者が不利な状況にあることを話した。

普通、こうして追い込まれた相談者に対して手を差しのべそうなものだが、更にパーソナリティーが「気持ちを詰めていく」というところがこの番組のスゴいところなのである。

「どうしてこの女性とお付き合いしようとしたの」カトウタイゾウ先生は問う。

この問いの背景には「本当に既婚者であることがわからなかったのか?」ということがある。たぶん端からそこを疑ってのことである。

相談者は「寂しくて」この女性にアプローチしたことを言う。

カトウタイゾウ先生にとっては美味しい回答で「そうだよね。貴方、この女性のこと好きで恋愛をしているんじゃないんだよ。寂しさを紛らわせるためだけなんだ」と言う。

相手のことが本当に好きで興味を持っていたら既婚者であることはわかるだろう、ということだろう。
確かに相談の冒頭に相手の年齢を問われた時に「30前後」と相談者が答えたことについては私も違和感を持った。年齢がわからない?はぐらかしてるの?ってね。

そしてカトウタイゾウ先生は相手もまた同じ心境で、相談者のことが好きでもなんでもないと言う。

既婚者と知らずに交際し、妊娠させてしまったから責任を取って結婚しようと考えている青年に対して、元も子もないことを言うのであった。

「気持ちや身体の寂しさから始まる恋愛はいつか破綻するんだよ」
そう言うのだ。

そして、相談者がそれに気づいた時、カトウタイゾウ先生はやや感情をこめて「気づいてくれて嬉しい」と同意し「こうした失敗を繰り返して人は成長するのだ」と結ぶ。

おいおい、失敗にしたら重すぎやしないか?

今起きている現象に対する相談など、もはやどうでもいいことかのように番組は終わっていくのであった。

つづく