ゲスな男、ゲスな女(9年間の不倫と今の戯言)

40過ぎに女の味を知ったショーもない男のブログです。言いたいこと言うばかりで参考にもなりゃしないと思います。コメントは承認制にしているので、非公開の場合はその旨書いてください。

若き頃の不倫の追憶3~初めてのセックスで

それはちょうど今くらいの季節であったと記憶している。

新入社員であり、初めての年度末を迎えていた。
普通であれば会社を休めるような雰囲気ではない。

しかし、時の上司がちょうど定年退職の年であり、有給休暇をこなしていたことをいいことに私はある金曜日に休みを入れて、彼女とデートをすることにした。

私は午前中のうちに彼女の家の近くに行き、彼女をピックアップして、学生の時に何度か行ったイタリアンに連れて行った。

セックスすることが約束されていても、まさかいきなりホテルに行くわけにはゆくまい。

ちょっとしたコースを食べた。クソガキの精一杯の背伸びであった。

店を出ると彼女は言った。「6時ころには帰りたいんだけど」

私は焦った。当時、私はほとんど女性経験がなく、ラブホがどこにあるかもあまり良くわかっていなかった。完全な準備不足である。

「K街道に出れば」
私はひたすら道を北上した。

1時間近く走ってやっと見つけたのがLというホテルであった。

部屋に入り、ソファーに座ると自然とキスをした。
キスも彼女が誘導してくれた。大人のキスだった。

ベッドに行くと、もう無我夢中であった。

何をしたのかも覚えてはいないが、刺激に慣れていない私はすごく早く役割を終えた。

お互いバスローブを羽織り、ソファーに戻った。
彼女が私の胸に飛び込んできた。

私の胸で彼女は泣いていた。
「気心許せる人に抱かれるのは…幸せよね」

すごくズシリと来る言葉であった。

私はなんとなくではあるが、男と女の関係になったことを感じた。

「もう一度いいかな?」
私は彼女の同意を確認すると抱き上げてベッドに連れて行った。女を求めたのであった。

今思うと誠に無粋であった。



前カノ、今カノ共に初めてセックスをした時に泣かれた。

無論、それは悲しくて泣いたのではない。
逆に喜びの涙でもない。

それはきっと辛さからの解放だと思う。
いろいろと我慢してきたものへの思いが一気に噴出した感情の表れと思っている。

斯様に、女性の場合は「なぜ不倫するか?」には深い理由がある。男性のように単に享楽を求めてのことではない、ということを理解しないといけない。

泣いた彼女の頭をそっと撫でながら抱き締める。

あの頃のように無粋ではないのは少し大人になった証拠なのかもしれない。

つづく