若き時の不倫の追憶17~「自宅で」
もはや、お互いに猿のような状態になっていたと言ったら猿に失礼にあたるかもしれない。
学歴社会を粛々とこなして社会人になった冴えない男。大学デビューしたかのようであったがあまり女性経験もなかった男。
美貌は備えてはいたものの、厳しい家庭に育ち、お嬢様学校を出てからもいくつか恋愛したようだが、結局は権威職の妻として収まったアラフォー女。
この二人が出会い、セックスをするようになり、その後恋愛感情が生まれた。
要するに何かに束縛されていたものが、一気にたがが外れたのであった。
こうなるにはいろいろな要素があったであろう。彼女からすると「かなり年下」という要素もあったのであろうし、私からすると通常なら手の届かない「高嶺の花」に行けてしまったということもあったかと思う。
しかし、一番の要素は実はお互いの安心感であったと思うのだ。何度かここには書いているが同じ生活観、つまりはお互いの似通った「育ち」が二人の関係を親密にさせ、二人の間でははめをはずすこともさせたのではないかと今さらながらに思う。
ある年のゴールデンウィークのこと、私の父母が福島県に旅行に行き不在にしていた。
昼間彼女とはデートする予定にしていたのであるが、私の仕事が忙しくてかなわなかったと記憶している。
私の両親が不在にしていることは彼女も知っていた。
夜中家電が突然鳴る。彼女からだった。
来たいと言う。断る理由はない。
当時、アパートに仮住まいしていたのであるが、そこの駐車場に車が停まる音がした。
ボロアパートに似つかわしくない高級車から彼女が下りてきた。すぐに部屋に導く。
何をしに来たかは明らかだ。
すぐに私の個室に導き、セックスをした。
2時間あまり愛し合い、彼女は帰って行った。
いつも寝ている布団での情交はかなり刺激的であった。
そして、この逆もあったのだ。
つづく