ゲスな男、ゲスな女(9年間の不倫と今の戯言)

40過ぎに女の味を知ったショーもない男のブログです。言いたいこと言うばかりで参考にもなりゃしないと思います。コメントは承認制にしているので、非公開の場合はその旨書いてください。

先生を生業とする女12

私はその日、珍しく時間を費やすためだけに会社に出勤している感じであった。

忙しい日々でデスクワークは溜まっていたのであるが、それさえもあまり手につかないほどの倦怠感を覚えていた。

こんな日はステディでも誘って、営業用の車の中での昼寝に付き合わせるのが良いのであろうが、夕方から予定している「不貞」を考えると背徳感でそれをする勇気はなかった。

午前と午後に一度ずつコンビニに行き、ちょっと強めの栄養ドリンクを飲んだが、昼御飯は食べることなく夕方を迎えた。

「晩御飯を作ればいつでも出られるわ」
とメールしてきていた彼女との待ち合わせは18:00過ぎにとあるJRの駅前としていた。

私は夕方、営業用の車の自宅への持ち帰り申請書を作ると17:00前に「今日は戻らないから」と職場の者に言って架空の外出先をホワイトボードに書いて会社を出たのであった。

待ち合わせ場所に直行するには如何にも早い。
よく営業で使うメイン道路を北上すると駐車場が少し広めのコンビニに車を停めた。

「さすがにこれじゃ力も入らないな」
そう考えた私はこのコンビニで1つのおにぎりとこの日3本目の栄養ドリンクを買って体内に入れたのであった。そして、少しばかりの体力の回復を期待してシートを倒して目を瞑ったのであった。

普段であれば期待と興奮で眠れまい。しかし、この日は直ぐにうつらうつらとしてしまったのである。

ものの20分ほど仮眠を取り、携帯のアラームで起きた私は駅に車を走らせた。

既に見えるところには雪が消えていたがまだまだ夜は冷え込む季節であった。

彼女はそこに立っていた。
ダウンのコートにマフラーをしていたが下はミニスカートであった。私に反してやる気満々であることが窺えた。

彼女は満面の笑みで助手席に乗り込んできた。
私は言い訳の1つも先に言っておきたかったが、それは朝からメールで話している。会ったからには、もう言い訳はしまいと思って車を走らせた。

ラブホは多い地域であったので、いくつか頭には浮かんだが、その駅から一番近いところに車を進めた。

そこは「こんなところにあるの?」というような工場や倉庫の間にポツンとあるホテルであった。

ガレージ形式のそれはほとんどが空室かと思いきやほぼ満室であり、選択肢なく一室に車を停めた。

車から出たとたんに彼女は私の腕に飛びついてきたのであった。

そのまま個室のドアを開け、狭い階段を2階まで上がったのであった。

ここまで来ても私は上気して来なかった。

「ねぇ、慣れてるの?やたら冷静なのね」
そう言われたのを覚えている。

つづく