夫がEDで~その23(ラスト)
その夜ステディと飲みに行った。
普段と同じような飲み会であり、行きつけになっていた焼き鳥屋でひとしきり飲んだ。
そうした飲みの終了後に誘われることは過去にあったし、その後もあったのだが、この日はそうした求めはなかったのであった。
良かった…と思ってしまった。
よく言えばステディを昼間に肉体的に満足をさせたということであろう。
しかし、気持ちの上でも誤魔化しを効かせてしまったということなんだね。
まぁ、飲んだ後に人目も憚らずキスをしまくった覚えがある。
これもまた「お前だけを愛してる」というを示す(それは事実なのであるが)、まやかしに過ぎない。
ついでに言えば、翌日曜日にも朝からホテルに誘っている。
「完全犯罪」を目指すためには完璧にステディに女を求める必要があった。
思えば、これが初の浮気だったかな?
バレずにすんで良かったという思いと、ちょっと自信をつけてしまったという感じさ。
で、遠距離の年上の彼女は…なんだけどね。
私が完全制覇したと勘違いしたのだろう…
結論から言うと二度となかった。
私は更に新しい相手を探した。
歳上主婦なら引っかかる、思ったのだね。
出会いなんてない、と…だから私にチャンスもあるのではないかな?と。
で…同じ地区の女性に行ってしまった。
多少遠距離はステディにも言い訳が効くしね。
だから、いいかな?と思っていたのは事実。
しかし、お相手が一緒じゃないかな?と思っていたんだよね。
案の定そう。
結論、腰の軽い男として振られた。
でも、それでヨシとしたのさ。
気づいていてそうしたのであるから。
その女性はサイメで言っていた。
「親友にサイトを知らせたら、あなたがアプローチしてきた」
「どんな女にもそうするならば終わりにしましょう」
私は応諾した。
彼女もまた沢山の男と同時並行なのに私の行動が許せないらしい。
致し方ないよね。
私が粉をかけたのは当に彼女であることは確信していた。
私が会社帰りにメールを入れると
「気よつけてね」
と。
これが一緒なのであった。
学がないのは環境でしかない。
しかし、それを克服しないのは違うと思う。
彼女から別れの言葉を言われて応諾した。
未だに良かったと思うのである。
おしまい。