視野が狭くなる
お恥ずかしい話ではあるが、私は若い時に恋愛と言えるようなものをしていない。
そうした欠陥人間が交際相手を本当好きになってしまうとどういうことになるか?というと視野が極端に狭くなるのである。
もう彼女以外のものが見えなくなってしまうのである。
仕事は稼ぎのためにしなければならないが、それさえも抜け出して会いに行く。趣味などの自らにとって重要であるはずの時間も制限をする。
「いい歳をして女を知ると身を滅ぼす」というのはこういうことを言うのであろうな、と理解していてもそれを改められないのである。
それが自らに留まっていればまだ良い。
同じ態度をお相手にまで押しつけようとするのである。
自らの愛情がお相手のそれよりも勝っているくらいでちょうど良いと思えるようになったのは今だからで、当時は同等かそれ以上の愛情を求めてしまう。
なぜか?
答えは自らに自信がないからである。
常に愛情をかけてもらっていないと自らがフラれるのではないか?という不安に駆られるのである。
お相手から過去の話や異性の話が出ただけで胸がかきむしられる気分になったものだ。
私は弱い人間なので直接言えたことはないが、心中では好き過ぎるがゆえに反対感情さえ生まれたこともあるのだ。
面倒くさいヤツだったのである。
今もまだその素養がないわけではない。
そうそう人間は変わらないのである。
ただ、前よりは良くなったのかな?
むしろ今のお相手が私にうまく合わせてくれていると言った方が正しい表現なのかもしれない。
だから視野は狭くならないし、愛情も注げるのかな?と思う。