セックスが嫌いな女~その7
私達はついに個室に入った。
彼女は心なしか震えているように思えた。
ソファーに座ると私はまた「大丈夫?」と聞いてみた。
彼女は無言で頷くとそのままうつむいた。
私は落ち着いているように振舞っていたが内心は穏やかではなかったのであった。
うつむいている彼女の顔を覗きこむようにすると私は彼女の口に優しくキスをした。
そして身体をゆっくりと引き寄せて密着をさせた。
今のところ拒否反応はない。
私が穏やかではなかったのは、この女性に対して失敗が許されないということであった。
もし、私とのことが忌避に繋がるようなことになれば、この女性は二度と男性に接することがなくなるかもしれない。
普通は私との間での相性という判断がなされると思うのであるが、この女性の場合はそれが全てになってしまうかもしれないと思うと嫌な思いをさせては決してならないと思って接したのであった。
焦りは禁物であると思った。
私は服の上からソフトに身体を触った。
私の唇は彼女の唇を離れると頬や額に移っていった。
そして、多くの女性がそこに性感帯を持つ耳やその裏にもリップを続けていったのであったがさしたる効果は見られなかったのであった。
目はじっと閉じられ、口から声が漏れることもなかった。
私は更に首筋に唇を移していったのであったが、無反応に変わりはなかった。
ここで焦ってはならない…と思うのであるが、あって欲しいと思う反応がないとどうしても焦ってしまうものである。
それでも自らを抑えて努めてソフトに愛撫をしていったのであった。
そして、徐々に服を脱がせていったのであったが、ここで困ったことが起きた。
上下とも下着を取らせてくれないのであった。
「脱いでくれないとこの先に進めないよ…」
つづく