大人のおもちゃ
セックスにはいろいろな楽しみ方があるので、他人様のそれをとやかく言うつもりはない。
しかし、あの大人のおもちゃというものを使ってセックスをするというのはいかがなものか?と思う。
と、言いつつも、私は使ったことはある。
まだ若い頃で、相手の女性はとにかくセックスに貪欲な方であった。
そう、彼女の方から「使ってみたい。」と申し出があったのであった。
私はちょっと思い悩んだ。
彼女が私のことを愛してくれているのはわかっていた。しかし、セックスに不満があるのかな?と考えてしまったのである。
そういうことを素直に聞ければいいのであろうが、回答が怖くて結局聞けないままにローターとバイブを購入した。
そして、事に望んだのであるが何れを作動させても悦ぶ彼女の姿を見て、かなり焦ったのである。
「機械に負けている!」
しかし、彼女は喘いだ末に言ったのであった。
「やっぱり貴方の方がいい。来て。」
その言葉に興奮をして、腰を振った。
そして、あっけない幕切れとなったのであった。
それからというもの、毎回使うようになったのであるが、使えば使うほど面白くなくなってきたのであった。
前戯の中心がおもちゃになってしまったのだ。
面白くない反面、彼女が快感に浸る姿は見たいし、彼女もそれを望んでいたのだ。
結局なぜおもちゃを使うことを提案してきたのかは聞けないままに破局をしたのだが、私がその後思ったのは、自らが前戯もインサート後も稚拙であったということだ。
出会い系サイトで知り合った女性の中にはおもちゃの経験者はいた。
言わないだけで、もっと多くの女性が経験しているのかもしれない。
それはそうだろう。ラブホテルに行けばどこでもそれ専用の自販機が置いてあるのだから。
そして、ちょいちょい購入する者がいるから存在し続けているのであろう。
昨年のことであったが、出会い系サイトで知り合った女性から初デートの際に電マが好きであることを言われた。
あの電マというのも、ほとんど全てのホテルに置いてある。やはりニーズがあるということなのだろう。
そして、次のデート、彼女と初めてセックスをするホテルにもそれは置いてあった。
前戯をしている時に何度か彼女の目がそちらに行ったのに気付いた。
しかし、私はそれを手にすることはなく、自らの指と舌で彼女の敏感なところを愛撫し続けた。
何分していただろう。
電マが好きというだけあって、し続けても拒むことはなかった。
私は2度ほど彼女の愛液を浴びせられることになり、そしてやっとギブアップの声を聞いた。
「電マにする?」
その後のセックスで何度か彼女に聞いたが彼女は首を横に振った。
機械に勝った瞬間である。
しかし、私のアッチの方はいつまで元気でいられるのであろう。
いつしかバイブに頼らざるを得ない日も来るのかもしれないね。