夫がEDで~その3
こうも早くにアポイントメントが取れてしまうというのも拍子抜けのようなところがある。
その日までに日が空いてるからサイメで連絡を取るようにした。
もう少しこの女性のことを知りたいし、私のことも知って欲しいという純粋な考えも当然あったが、それ以外に理由があった。
サイトにアクセスをして、アクセス順に検索をするとこの女性は必ず上位に名を連ねていたのである。
これは私とのアポが入りながらもまだまだ男を物色しているということを表していた。
この間にも他の男に抱かれるということについては特別な感情は持たなかった。もうすでに2週間で5人の男とセックスをしている女性だ。それが一人や二人増えたところでどうってことはない。性病リスクさえ、より気をつければいい話なのである。
こちらもステディとの合間にするという不埒な目的だ。これがステディ候補ならば嫉妬のひとつもするだろうがそうではない。
ただアポを外されることだけは避けたいな、と思っていたのであった。
何せ最愛のステディとのデートを止めてまでして会うのだから。
1日に3回以上はこちらからサイメをすることにした。
まずはプロフィール欄に書ききれない自分のことについて書いてみた。
それへの反応としては「東京の人とお付き合いしたことなんてないから楽しみ」というものであった。
これはこの女性を惹き付けるだけのものになりうる要素のひとつであると思われた。
私はもう1つ、2つこの女性を狙っている男性たちに比べての優位点を持ちたいと思った。
「若い男性からもお誘いあるんじゃないですか?」
「あるにはあるけど、私はあまり若い人はダメなの。貴方についても迷ったけど、プロフィールが落ち着いていたから」
「あ~老けてましたかね?文章が…」
「そういう意味じゃなくて(笑)」
とりあえず確認できたのは、この女性にとって私は「レア物」だということであった。
たぶんアポを外されることはないだろう。
その後は頻度だけを注意して、他愛もないメールのやり取りに終始した。
意外にもセックスの話はしなかった。
私には当日を迎えるにあたってもう1つやっておかなければならないことがあった。
つづく