夫がEDで~その4
私がいち早くやっておかなければならなかったのはステディに嘘をつくことであった。
何せステディとは毎週末デートをしていた。
それはもはや習慣と化していたのであった。
完全にその通りとなってはいなかったが2週に一度のセックスをするデートの日とは重なってはいなかった。
サイトの女性と会う約束をしたのは、言わばローテーションの谷間だったのであった。
私はたまに休日出勤をしていた。
これは事実としてそうだったのであるが、今回は嘘をついてそうするしかないと思ったのだ。
私はステディにメールをした。
「今週末、仕事が入っちゃって。土曜日の昼間会えないな」
ステディからはすぐに返信がきた。
「そうなんだ。仕方ないね。大変だよね。日曜日は会えそうかな?」
私が「もちろん」と返す前にステディからもう1通メールがきた。
「夜は空いてない?最近飲みに行ってないし。ポンパレでいいチケットがあるんだけど」
「夜は大丈夫だよ」
そう返信するしかなかった。
「たぶん午前中のうちにカタがつくから」
こうした嘘は突き通すしかない。
サイトの女性とは朝早くから会う約束をしてみようかな?と思った。
そこは同じ理由を使うしかないな、と思った。
「お会いする日なんですが、午後仕事が入ってしまったのです。ただせっかくの機会ですからお会いしたいと思います。それとあまりせかせかするのも嫌です。わがままを言いますが朝早くからお会いできないでしょうか?」
サイメのやり取りからして朝は早起きのようだ。あとは家族に申し開きができるかどうか?というところであろう。
「大丈夫ですよ。こちらには何時に着けますか?それと何時に出れば大丈夫ですか?」
土曜日だから彼女も外出の理由付けをしたいのであろう。時間は明確にすべきと考えた。
「8時には行けます。出るのは昼過ぎに出れば大丈夫です」
「わかりました。4時間も一緒にいられますね」
ここまでは私の思う通りにいっていた。
先ずこれで1日中スーツ姿で通せる。
それに4時間を彼女は長いと言っている。
これまでのサイメの流れから読み取ると彼女が出会った男性は彼女と同世代または歳上だ。
しかも彼女は出会いの目的を明確にセックスとしている。
恐らくそう回数はできまい。
そして射精すればそそくさと帰途につこうとするのではないだろうか?
私は4時間もあれば彼女が満足するセックスができるだろう。
そして彼女にとってのレア物を貫ける。
この時の私は相当悪い目をしていたと思う。
つづく