若き頃の不倫の追憶9~いつしか本気に
彼女は私に時々言っていた。
「ちゃんと新しい彼女も探しなさい」
また「その時のために」ということでベッドマナーを教え込んだ。
前戯だけでなく後戯も重要であることを学んだのはこの頃であった。
女性の身体だけでなく気持ちについても学んだのもこの時だ。
決してテクニックについて何かを言うと言うことはなかった。勿論、下手くそで早いセックスを詰ることもなかった。
そしていつも私に優しくしてくれていた。
私はいけないこととはわかりながらもどんどん彼女にのめり込んで行った。
新しい彼女を作る気などさらさら無かったのであった。
それはそうだろう。
優しくて美しくて、性欲を満たしてくれる女性が自らの手中にあるのだ。
私達は次第に会う頻度を高めた。
「新しい彼女を探しなさい」
そうは言っていたが
「本気になったらダメだよ」
のようなことは決して言わなかった。
私がのめり込んでいっていることは気づいていたろうに。
1年まで経過していなかった頃、彼女の口から出たのは「もう貴方から離れられないわ。愛してる」という言葉であった。
思いは一緒なのであった。
不倫という仲であったとしても本気になることはある。
いや、往々にして本気になるのだ。
セフレという関係を求めた時、同じようなことを考えている女性はいた。
しかし、それはセフレに止まらないこともわかった。当たり前と言えば当たり前なのだが。女性は普通、心を開かない限り身体を開くことはない。
それがわかってからは配偶者は勿論いて、ボーイフレンドもいる女性に限っているのである。
それでも危ないことはあるんだけどね。
ボーイフレンドから奪うのは本意ではない。
つづく