若き時の不倫の追憶19~「キスマーク」
その当時の彼女からは毎回つけられたキスマーク。
しかも、それはかなり目立つところにつけられた。首筋とかにね。
当時は不倫と言っても私は独身であったし、キスマークの一つもあった方が「男の勲章」くらいに思っていた。
このあたりはモテなかったがゆえ、だろうね。
「男の勲章」とは「俺にも女くらいいるんだ」というもので、それをつっこまれることがあると「ダニに食われたのかもしれないですね」と否定しながらも悦に入っていた覚えがある。
しかし、服を着ていてもわかるところにキスマークをつけていた彼女の心理を考えれば、やはり「不安だったのだろうな」と思うのである。
確かに彼女の彼氏は15歳以上年下で独身、当時流行った言葉である3高のうちの2つは実現、もう1つも就職している会社からすると実現可能とあらば「お婿候補」として放っておかれないと思っていたらしい。
しかし、本当に放置されていたのだね(笑)
何も彼女は不安がることはなかったのであった。
当時、そんなことは意識すらしなかったが、後の会話で知ったことであった。「俺は鈍感極まりないな」と後になって知る。
若き頃のこの彼女は逆に私に対して「キスマークをつけて欲しい」と言ってきたことはなかった。
しかし、この歳になってからのお相手は「つけて欲しい」と言うことが多い。勿論、脇の下などの目立たぬ位置にである。
何日間か跡になるそれを見て、私との情交を思い出すという。
大丈夫なのかな?と思ったのはセフレさんたちである。
現在のセフレさんも含めて、私がセフレにする女性は基本的に彼氏がいる。
ということは裸を見せる相手がいるということなのである。
「大丈夫よ。わかりはしないから」
とはあるセフレさんの話ではあったが、
「私だったら気づくのにな」
と思った。
キスマークをつけて欲しがったセフレたちの身体を注視しても彼氏さんにそれをつけさせている様子はない。
ということはキスマークは「情交の証」なのかもしれない。
そして、突然彼女さんがキスマークをつけたがったならば、それは自らが疑われていると思わないといけないんだろうね。