夫がEDで~その21
私はいつもの待ち合わせ場所に行った。
そこにはいつものように小型車が停まっていた。
その車からステディは降りてきた。
いつものように。
そして、いつものように私の車の助手席に乗ってきた。
逢うとライトなキスを交わす。
ここまでは一緒であった。
いつもクールな感じのステディがその日は少し違っていた。私の唇から離れた口から出た言葉は「エッチしたいんだ…」であった。目が潤んでいた。
普段は私から求めることがほとんどで、ごく稀に求められることがあった。
そんな時は全ての予定を投げてでもステディの求めに応じていた。
この日も断る理由は見当たらない。
そして、ほんの少しではあるが、求められることも予測していたのであった。
私はすでに女と男のセックスは別物だということをこの女性から理解させられていた。
そしてそのひとつに快楽だけの時間を過ごすためだけにベッドにいることを嫌った。
時間は3時近く。
予約していた居酒屋の時間は6時。
一度車を置きに行くことを考えればホテルにいられる時間はせいぜい2時間だ。
「時間短いけど…」
「それでもいいから。お願い」
ステディに頼まれて断る手はない。
私はホテルに車を走らせた。
つづく