バブル期に弾けていた女~その5
海辺のラブホはすぐ横が民家でおばちゃんが玄関先で掃除をしているようなところにあった。
ただ田舎町のラブホとしては外観もきれい。
中に入ると磨りガラスであったがなかなか採光の良い作りになっていた。
いくら照明を落としても明るい、というセックスをするにはちょっと恥ずかしい感じではあった。
入るなり彼女はキスを求めてきた。
「セックスしよう」ということできたのであるから仕方ないのであるが、なめ回すようなあまり美しいキスではなかった。
長いキスの後、いくらなんでもこれじゃあ雰囲気の欠片もないな…と思った私は「ソファーに行かない?」と言って部屋の大きさに似つかわしくないくらいに大きなソファーに彼女を誘導した。
そこで改めて私が主導でキスをした。
口角をリップしながらも少しだけ舌先を使い、前歯を舐めてから歯茎に舌を持っていき、最後に舌同士を絡めた。
この頃には遅手の私も不倫経験は15人くらい。
その期間のほとんどをお付き合いしていたステディとは3年半くらいを迎えていた。
さすがに少し余裕ができていたのであろう。
その後は私がキスを終始リードしていたのである。
「早くベッドに行こう…」
堪らなくなったのか、場を移すことを求めてきたのは彼女であった。
季節はこの地がいかに湿度が低いとは言いながら夏。
シャワーくらいしてからかな?と思っていたのであるが…求められたからにはいかないといけない。
ちょっと私自身が勘違いしていた頃かな?
間違いなくそうだ。
ソファに横たわる彼女をお姫様抱っこして、ベッドにゆっくりと横たわらせたのであった。
つづく