セックスが嫌いな女~その3
「セックスにそんなに拘りますか?」
それが彼女の質問であった。
答えはYESである。当時はおろか現在でもそうなのである。
健常な男女がお付き合いするにあたってはこれは絶対必要条件であると思っている。
快楽はもちろんであるが、愛情を示すものとしてはわかり易い行為であり、悔しいかな、何度となくこのセックスという行為で仲を取り持ったこともある。
言葉では言い表せないが、男女の仲でアクティブにもパッシブにも結局はプラスとなる産物であると思うのである。
今ならばたぶんこの女性とお付き合いをする方向で話を進めていたと思う。
この女性が健常であるならば、お付き合いを進めていく中で私のことを求めてくれることもあるのではないかな?と思うからである。
自然とそういう雰囲気になることが来ると思うのだよね。
もし、そうではなかったとしても仲良くなった時に私から申し出てもいいと思う。
簡単には受容されないであろうが、ベッドを共にすることを求めたと思うのである。
今なら…
当時それができなかった…お付き合いをする方向にさえもっていけなかったのは、他でもない、私が男として自信がなかったからである。
前述したような男女間におけるセックスの作用は当時も経験したことがあった。わかってはいたのだね。しかし、それはお互いがセックスする仲になっていた結果として、ということであったのだ。
0から作り上げることに躊躇した。当たり前だよね、全く勝算はないのであるから。
そんな人間関係は作りたくもないと思ったのだね。
実はそれって「クリープのないコーヒーなんて」(古っ!)と同じくらいの意味合いでしかないのであるが。
そう…自信があるかないかだけなのである。
今ならお付き合いを進めるうちに幸せなセックスに導いてあげらたら、くらいの余裕を持ってお付き合いをしたのだろうけどね。
その余裕がなかったから…その場で別れを告げた。
ありがとう…と。
二度と会うことはない、と思った。
しかし、ある時にこの女性と再び対面したことがあった。3年以上経過していたかな?
驚いた、ね。
私も驚いたけど、お相手もちょっと驚いた表情をしていた。
状況が状況であっただけに挨拶しかできなかったけれど、その後、恋愛ができていたらいいのにな…と思ったね。
しかし、それまで間接的に聞いていた話ではそんな感じではなかったね。無論、同一人物ではないと思っていたけど…
この話は一度これでおしまい。
次回からは二人目の方の話。
つづく