ウソのプロフィールを書いていた女~その6
そう思って、ステディとの会話をメールで終えた。
最後にはお決まりのように「おやすみなさい。大好き」と入れてね。
それからサイトに行ってみた。
それまで一応の経験はあったからサイトに書かれていることの想像もついたのであった。
たぶん、いや、間違いなく表面的な礼と別れの言葉が書かれているものと思っていたのである。儀礼的にね。
一期一会という言葉がある。
とても素晴らしい言葉であると思うのであるが、如何にサイトの出会いとはいえ、そうした別れのメールに対してこちらもきちんとしたお答えをして感謝の意を伝えるというのが礼儀だと思っている。
私はそんな妄想をしながらもサイメを開けた。
しかし、その反応たるや私の予想を裏切ったのであった。
お付き合いして頂けませんか?
そんな出だしで始まっていたサイメはかなり長文であった。
そこにはかなり思いが書かれていた。
その結びには「これまでお会いした男性と…」ということも書かれていた。
会った時にこれまで誰とも会ったことはない、と言っていたが、プロフィールに続いて、またウソを言っているのか?と思ったのであった。
純粋と言えば純粋なのであろう。
没頭すると前言すら忘れてしまうのかもしれない。
誠に申し訳ないがあまり頭はよろしくはないのであろうな…と思ったのである。
狡猾さというのは悪い意味で使われるが、生きていくには重要なファクターなのである。それが見えないというのは少し抜けているのかな?という判断を私はするのだ。ウソをついてはいるが中途半端なわけである。
私はそれを性善説で捉えた。
そうした思いはあったとしても純粋ということで捉えたということなのさ。
私はそれに長文で応えた。
良くなかったのはセフレになって欲しい、とはっきりと言えなかったところにある。
次のアポは彼女が一人になれる夜、年明けになるのであった。
つづく。