久しぶりにぺニスの話(2)
しかも当時雑誌などに書かれていたことと言えば、包茎であることにより「ぺニスの発達が遅れて小さいまま」「刺激に弱く早漏」である。
(加えて「恥垢がたまる」があったがこちらは清潔に努める…ということで自らの気持ちを抑えた)
確かにそれらは説得力のあるものではあった。
仮性包茎というのは普段は亀頭が出ていない。
従って、その部分が何かと刺激を受けないために、いろいろと齟齬が生じるというものだ。
それはいけない…と思った。
いずれも女性を満足させるには間違いなくマイナス要素なのである。
そこで私は朝外出をする前にトイレで皮を剥く、ということをするようになる。
すっぽんの頭のようなそれをみどりがめの頭のようにしたのだ。亀の頭でもずいぶんと違う。
こうすることでみどりがめの頭は下着に擦れ、刺激が与えられる。必ずや包茎による大きな2つのマイナス点はカバーされうると思った。
そしてこうすることで、何よりもあの雑誌の広告の青年のようにネガティブそうな感じではなく、ハイネックから頭を出すことによりアグレッシブな自分がそこにはいるような気がした。
しかし、悲しいかな慣性というものに負けてしまうのであった。
すぐにすっぽんの頭に戻りたがる。
寒い朝などは特にその「戻り」が早い。まるで温度に反応する形状記憶合金だ。
戻るだけならいい。
その戻る時に周囲の陰毛を巻き込むのであった。
巻き込みにより陰毛が引っ張られて痛いのと敏感なところに毛先が当たって痛いのと…そしてそうなった姿をトイレで見れば干潟のいそぎんちゃくのようになっているのであった。
それでもそんなことをしばらく続けていた。
その当時は既に年上の女性とお付き合いを開始していたのであるが、「いっこうに大きくなる様子がない」「依然、早く漏れてしまう」そして何よりも「文句を言われない」ということから止めてしまったのであった。
「あの頃していた筋トレを続けていたら今ごろはムキムキに…」などと思ったことはないだろうか?
人はかくも耐性がないものなのである。
そしてこのケースはきっと大きくもなってなければ、遅くもなっていないのである。
少なくとも、そう思いたい…
つづく