誘われて尻尾を振って行ってしまう男⑥
このあと、私は女性に愛撫を続けた。
最初が激しかったために年相応のセックスをしようと思ったのである。
それにしてもかなり無理があるのは事実なのである。
それは私に近い年齢の方ならばわかってもらえると思うが一度放出すれば一定のタームは空けたいと思って然るべきだと思うのだ。
彼女さんに対してならばインターバルをあけるであろう…一方で彼女さんにもたまにはひたすら求める姿を見せたい…その演習がセフレとのセックスの場でもあると思ってきている。
そして、この日は久しぶりのそうした場、である。
私はその演習を行えるシチュエーションにあるのだからしない手はないのである。
むろんすぐに役に立つほどの精力を持ち合わせているわけではない。
しかし、セックスとはほとんどの場合、前戯と後戯で成り立つものであると思っているから、そう焦る必要もないのである。
私は女性をまずクールダウンさせるべく、髪の毛を撫でたり、身体に優しくタッチしたりした。
女性は息が調うと自然と抱きついてきた。
私もそれに従って抱きしめる。
こうしたトーンを合わせることが重要だと思っている。
数分間、そのままにしていた。
そこはじっとしている方が良い。
それは自らに焦燥感を持たせるぐらい長く保つ方が良いと思っている。
堪えられなくなった時に次の行動に出た。
それはキスという行為だ。
この日はまだ一度もこの行為をしていなかった。
私としてはある意味で作戦でもあった。
それは最初に立ちバックであられもない姿でいたすことを決めた時に考えついたものであった。
恋人でもないのに女性はうっとりとした顔つきで私のキスを受け入れた。
そして身体の力を抜いたのである。
かくもキスという行為は女性にとって重要な行為であるから普段からこれをないがしろにしてはならないということなのである。
そして、私の「作戦」は今のところ当たっているということなのであろう。
つづく