ベンツに乗る女~その15
直近でステディと別れていた私の下半身は女性を求めていた。
そしてしばらくそういうこともなく、私に焦らされるだけ焦らされ、言葉責めまで受けた彼女の下半身も迎え入れるには十分な準備ができていた。
私が入口にぺニスの先をあてると
「やっときてくれるのね」
と彼女は感嘆の声を発した。
私はズブリと音がするくらい強くぺニスを押し込んだのであった。
彼女は私の背中に腕を回してきた。
そして私の下からは一突きするごとに悲鳴にも似た声が聞こえた。
興奮でトランス状態になっている男女は単なるオスとメスになることがある。
若い頃はそういうこともあったがセックスをプレイとして楽しむようになってからは女性を歓ばせることが自らの快楽と考えるようになっていたため、その最中でもどこか頭の中は冷静なままにあった。
しかし、この時はちょっと違った。
それはつい1ヶ月ほど前にステディを失ったことと無縁ではない。
一度空虚になった心を埋める前に身体の渇きを潤したかった。
決してこの歳上の経営者を次のステディにしようなどとは思ってもいなかった。
単にセックスのお相手としか考えてはいなかった。
そのお相手に私はひたすら腰をうちつけ、回転させた。そこには普段してきているような強弱をつけたりテンポを変えたりなどということはなかった。
興奮しているのは私だけではなかった。
彼女もまた興奮していた。
単純なピストン運動とグラインドしてくる棒を受け入れるだけで感嘆の声を上げていたのであった。
そして時々身を硬直させていたのは頂点に達していたのであろう。
それでも私はお構い無しに動きを止めなかった。
明らかに興奮していたし、射精コントロールなどせずにひたすらぺニスに刺激を与え続けたが、射精する様子がなかった。
「堪忍して。もう死んじゃうから」
「俺も逝くよ」
嘘をついて射精したふりをしたのであった。
つづく